私がこの道を志した理由

私の実家は鹿児島で、父と母2人で酒屋(小売)を営んでおります。
酒屋の開業は、ちょうど自分が生まれたころだそうで、今年で三十数年目になります。
この景気の厳しさからすると、この年数を継続してきたことは、身内の事ながらすごいな、と改めて思います。

振返ると、自営業ということで家族もある程度犠牲を伴うものでした。
父は、年中無休をモットーとしており「休んだらお客が逃げる!」といつも言っていました。
恥ずかしい話、ジェットコースターも乗ったことなかったし、そもそも 遊園地なんて行った事はありませんでした。
家族でゆっくりどこかへお出かけ、という思い出が一切ありません。

そんな中で、幼い頃から身近に親の働く姿を見て育ってきました。
中学生のある日の晩、試験前日ということで試験勉強をめずらしく夜遅くまでしていた時のこと。
勉強がひと段落つきトイレに行こうとしたら店の電気が点いていて、カチカチと音がします。
「これは、泥棒か!!」と思い、恐る恐るコソっと覗いてみたら・・・。
父が電卓をたたいていました。今でも覚えています。深夜3時過ぎだったと思います。

今、振り返ると「経営者とは孤独なんだな~。」と思ったのはこの時からでした。
周りに税理士の先生はいましたが、その方は数字のチェックだけで経営に関するアドバイスは一切ありませんでした。
その割に、顧問報酬だけはきちっと取られる。
父、母が苦労して稼いだ金を!!・・何だか腹が立ちました。

そんな体験からでしょうか。
「もし、自分が経営者の片腕になることができれば、少しでも不安や心配を少なくさせることができる・・・。」
「何か経営に近い立場に立てる資格を取り、役に立てたらどんなにいいだろう。」
子どもながらに、そう感じたことを思い出します。

そういうことで、私の大学時代は、経営学(会計学)を専攻し、簿記などの資格をとってきました。
しかし、経営を学ぶにつれ、中小零細企業の多くの会社が“人材活用”という大きな課題を抱えていることに気づきました。そして、人事・労務のことを詳しく知りたいと思い、社会保険労務士という資格を手にしました。

この資格(ツール)を活かして、“金なし、コネなし、仕事なし”の状況で平成20年に独立開業しました。
現在、おかげさまで多くの経営者の方々をご支援するお仕事をさせていただけるようになりました。
今でもその気持ちで仕事に携わっています。 絶対忘れてはならない私の原点です。

くぎた経営労務事務所代表 釘田直樹