ブラック企業と呼ばれないために

 

ブラック企業と呼ばれないために…

ブラック企業という定義は様々でしょうが、例えば「急な解雇を言い渡された」「残業代が支給されない」「年次有給休暇が申請できない」「ハラスメントが横行している」「会社が社会保険に入っていない」「長時間労働による過労で精神疾患になった」「実働で計算すれば最低賃金を下回っている」等といったような事例が多いように感じます。

中小企業がブラック企業と呼ばれないためには、経営者や管理職層の人事労務の法律の知識は当然必要となってくるところです。正しい残業計算の仕方、解雇の種類・要件や注意点、ハラスメント予防への周知啓発・社内教育、1人雇用した場合での人件費試算、労働時間の管理、残業申請の方法など採用から育成、異動、退職までの人事と労働時間管理などの労務での法知識が重要です。

ただし、お客様が物を購入することから全てが始まります。そういった意味でも経営の組立て方や仕事の受注の仕方、業務を遂行する環境により、後々の働く社員への負荷が変わってきて法律の順守がどの程度出来るのか決まってきます。

そこで、経営において重要な以下の11の項目を書き出してみました。

【1お客様は神様ではない】

経営の目的は顧客の創造といわれます。それはお客様づくりです。

顧客情報を整理した顧客名簿(管理簿)などを作成して地道にお客づくりを行うのがいい

と思います。

ただ、その真意を間違えてとらえると社員がお客様の言いなりになってしまい負荷が

社員へかかってくることもあります。

対等の立場で交渉出来るのが本来の商売の原理原則です。

【2良いもの(サービス)を絶えず追求して安売りしない】

永く経営するには良いものを適正な価格で売らなければ長続きしません。

資金が潤沢な大企業であればいいですが、中小企業は良いものを追求して付加価値をつけて

高く売ることが必須です。上記1の対等な立場で交渉を行えるのも良いものの追求から始

まります。

【3人材定着しない時の事業所を増やしたり新たな出店は慎重に行う】

目先の売上を追うばかりに店の出店や事業展開を加速するケースがあります。

ただ、人材の定着がない状況で行うと、一部の社員へ負荷がかかります。そうならないよう

にするためにも人材定着や育成が重要になってきます。

また、それが目的なのか、手段なのかの選別が必要です。

【4商品のアイテム・ラインナップは極力限定する】

アイテムやラインナップを広げるとどうしても作業量が多くなり、効率も悪くなります。

さらに人材を育てるのにも時間を要します。絞ることで各段によくなります。

【5総売上高に占める得意先1社の依存度を高くしない】

創業して得意先が1社、また1社と増えていく中で大きな得意先をもつことは、有難く大事なことですが総売上高に占める

1社の割合が大きくなってしまうと、当該企業の事業が傾いたときにこちらも影響を受けることになります。

いわゆる一蓮托生の状態です。

この状態が生まれると依存してしまい、長引くと対等な交渉も難しいところとなってしまいます。

【6社会の変化に柔軟に対応できる】

業務遂行のためのアプリやツールが多くあります。

既存のやり方だけでなく、より効率的な業務の遂行の仕方を常にアンテナをはって無駄をなるべくなくすことです。

【7多重構造の業界(建設業、運送業、製造業など)はポジショニングが大事である】

業界によっては、元請、下請、孫請など多重構造になっている業界も多く存在します。

利益は当然、上部にありますから下になるほど利益が少なくなり人材へかける経費(昇給や

賞与、社会保険料)がなくなります。

そのため依存型(ぶら下がり型)ではなく自立型の経営が望ましく「価格決定権」や「ルール

を自社で決めれる立場」になることです。

【8評価制度がなくても業務マニュアルはつくる】

採用した社員を指導・育成した上で、勤務態度や成果などを定性評価、定量評価する人事評価は重要です。

ただし、業務上の指導や育成を行う上で業務マニュアルはより重要となってきます。技術や技能の習得に

おいて業務を細分化して、どこがポイントでどのように遂行すれば効率化が図れるのかを、見える化した

うえで、誰が行っても成果物が一定以上になるようにものとなります。

【9ツールに依存し過ぎずこまめな面談を行い個々の環境・状況を把握する】

便利な世の中になり、ツールを使ってオンラインで自宅やサテライトオフィスでも可能な時代となりました。

ただ、上記の評価制度もそうですが、あくまでもツールです。なので、原則は社内の人間関係、信頼関係が一番重要となってきます。

【10業務のアウトソーシング化を上手く活用する】

餅屋は餅屋へお願いすることが良い場合もあります。

WEB上で調べれば色んな情報を仕入れることが出来ますが正しい情報か分からないのと、時間コストがかかります。

内製化した方がいいのか、外部へ委託した方がいいのか充分検討が必要です。

【11ストック型ビジネスの研究】

毎月定期的なキャッシュのあるストック性の高いビジネスモデルだと安定性を増します。

その時々のフロービジネスですと、売り上げの増減により波打つかたちとなり、安定性

を失います。

よって、ストック性の高いビジネスモデルの構築の研究は必要です。